
システムを運用しているときは、OSやアプリケーションなどの効率のよい監視が求められてきます。監視の方法には、いろいろなアプローチがあります。コストやパフォーマンスなどを考えたうえで、自社に合ったアプローチを選ぶのが賢い方法になるでしょう。
今回は、さまざまな業種の企業から注目されているawsを取り上げて、監視サービスについて解説していきます。便利なメール通知の機能も、簡単に紹介しましょう。
国内企業も続々と導入しているawsのサービス

大手通販サービスのAmazonが提供しているawsは、さまざまな機能を備えたクラウドコンピューティングサービスです。情報システムの運用に役立つインフラを提供したり、情報処理をスムーズにしたりできるところは、awsの大きな強みでもあります。
awsのサービスは、国内企業も数多く利用しており、いろいろな業種でサービスが活用されている状況です。awsの便利な点は、求めている機能に合わせて最適なサービスが選べるところです。サーバーを構築、運用できる「Amazon EC2」やストレージサービスの「Amazon S3」などは、awsでもニーズの高いサービスの1つです。
awsのサービスは従量課金制であるため、合理的に利用できるのもメリットになっています。
awsではオリジナルの監視サービス「CloudWatch」を提供
awsのサービスを利用する際には、オリジナルの監視サービス「CloudWatch」が利用できます。「CloudWatch」は、awsの機能にマッチするように開発されたサービスであり、いろいろな機能を効率的に監視できる内容になっています。
新たにほかの監視ツールを導入する場合、面倒な設定作業などが発生するケースが多いですよね。「CloudWatch」は、システムが監視する対象を見つけて自動的に監視を始めてくれたり、異常を検知してすぐに復旧作業をしてくれたりするため、複雑な設定作業に煩わされることが少ないのがメリットです。
awsの「CloudWatch」は、利用の仕方を自分でコントロールできます。利用の仕方によっては、コストがほとんどかかりません。監視用のツールを別に用意するより負担が少ない点も、「CloudWatch」のメリットと言えます。
メール通知が受け取れる3つのサービス
awsは、いろいろな通知をメールで教えてくれるのも便利な点です。例えば、「CloudWatch」や「CloudWatch Events」、「CloudWatch Logs」の3つのサービスには、必用に応じてユーザーにメールで通知をしてくれる機能が備わっています。
「CloudWatch」は、awsのリソースと実行されるアプリケーションを監視するシステムです。「CloudWatch Events」は、awsでおこなわれるイベントを監視するのが特徴になっています。こちらのサービスは、「Amazon EC2」や「Amazon SNS」、「Amazon SQS」といったawsのさまざまなサービスのイベントを監視することが可能です。
「CloudWatch Log」は、ログの監視ができるサービスです。このサービスを利用すると、「Amazon EC2」や「AWS CloudTrail」などのawsで利用しているサービスのログをチェックできます。
こういったawsのサービスでメールの通知が受けられれば、トラブルが発生したときにもすぐに対処ができる可能性があります。
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リソースの状態をメールで教えてくれる「CloudWatch」
「CloudWatch」では、システムのリソースやアプリケーションのパフォーマンス、オペレーションが正常におこなわれているか、などの状況を監視し、設定したメトリクスを超えたときなどにユーザーにメールで通知をしてくれます。
CPUの使用率などが容量をオーバーしてしまうと、さまざまなトラブルが予想されますよね。「CloudWatch」でメールが受け取れれば、トラブルを回避するアクションを起こすことも可能です。「CloudWatch」には、モニタリングしているリソースを変更してくれる機能もあります。
メールの通知で状況が確認できると、その場で変更が必要かどうかが判断できます。「CloudWatch」は利用料金の監視もしてくれるため、コストをチェックしながら運用を進めたいときにも便利です。
イベントの発生時にメール送信をする「CloudWatch Events」

「CloudWatch Events」は、特定のイベントが発生したときにメールで通知をしてくれます。このサービスを利用する際には、自分でイベントのルールを設定し、監視するターゲットが選択できるようになっています。
条件を指定しておくと、イベントが発生したときにすぐに通知が受けられる仕組みです。例えば、特定のオブジェクトが削除された場合に通知を受けたい場合、ルールを作成するときに設定しておけばイベントが発生したタイミングでお知らせが届きます。
設定したイベントによっては、自動的にトラブルの対処をしてくれる場合もあります。
ログのエラーをメールで通知する「CloudWatch Logs」
OSやアプリケーションのログにエラーが発生したときにメールで通知してくれるのが、「CloudWatch Logs」です。ログの監視や保存の機能が備わったこのサービスは、蓄積されたログのエラーを自動的に計算してくれたり、エラーの数が一定数を超えたときにお知らせしてくれるのが特徴になっています。
ちなみに、ログのデータの保存期間は自分で設定することが可能です。ほぼ永久に保存したいときは、無制限の保存期間を選ぶとデータが自動的に消えてしまうことがありません。ログデータをアーカイブする機能もあり、必要が生じたときにすぐにデータにアクセスができるのも便利です。
「CloudWatch Logs」のログデータは、暗号化された状態で保管や転送がおこなわれます。こういった機能があれば、情報が外部に漏れてしまう心配も少ないですよね。
「CloudWatch」の料金は?
「CloudWatch」のサービスには、無料利用枠と有料利用枠があります。無料利用枠は、一定の範囲内で無料でサービスが利用できるのが特徴です。例えば、この利用枠ではアラームが10件まで設定できます。ログデータは5GBまで取り込みやストレージが可能です。
設定されている範囲を超えない限りはコストをかけずにサービスが体験できるため、お試しで「CloudWatch」を利用してみたいときは無料利用枠を活用してみるとよいかもしれません。有料利用枠は、利用した量に応じて料金が発生する仕組みになっています。
有料の場合でも、「CloudWatch」は契約金や基本料金などはかかりません。サービスをまったく利用しないときは、料金がかからないため無駄なコストが発生してしまう心配は少ないです。ちなみに、有料利用枠の料金は地域によって変わる仕組みになっています。
そのため、具体的な金額を知りたいときはその都度確認が必要です。料金やサービスの内容、適したサービスの選び方などは、awsの無料相談サービスを利用して問い合わせができます。
awsのサイトに用意されている質問フォームを利用したり、チャットで質問したりすれば、必要な情報が得られる可能性があります。資料の請求もできるため、今後の導入に向けて料金などの詳しい情報を得ておきたいときにもawsのサイトは便利です。
機能などを比較しながら使いやすいサービスを選んで、ビジネスに活用してみましょう。